販売されている育毛剤は何十種類も存在します。
さらに育毛成分も何十種類もあり、育毛に関与する効果もたくさんあります。
例えば血行を促進させたり、頭皮を保湿したり、脱毛を予防したりする等があり育毛に重要な役割を持っています。
また育毛成分と言われるものは植物や樹木等から取れるものが多いです。

育毛成分の種類と効果の詳細はこちら
育毛剤の裏面には使用されている成分が記載されていますので、私も必ずどのような成分が入っているか確認します。
育毛剤を購入する時どのような育毛成分が入っているか気になるし、どのようにエキス成分を抽出するのかも気になりますよね。
この記事では育毛剤に使用されるエキスの抽出方法について記載していきます。
この記事では下記の様な事がわかります。
- エキス成分の抽出方法は大きく2つの抽出方法。
- 熱水抽出法は抽出の中でも比較的安価で安全性の高い方法です。
- アルコール抽出法は熱水抽出よりも多く成分が抽出されます。
エキスとは
エキスは外国語が由来
エキスはオランダ語の『EXTRACT:抽出物』の意味からきていると言われています。
エキスは動植物から有効成分を取り出しそれを濃縮したり、乾燥させたりしたものです。
今回は育毛剤に使用される成分の抽出方法について記載します。
エキスの抽出は大きく2種類
原材料に含まれる成分を抽出する場合、材料によって最適な抽出方法が選択されます。
すべて同じ抽出方法では、うまく抽出できなかったり、有効成分の効能が失われたりしてしまう恐れがありますので大切な工程になります。
熱水抽出法

熱水抽出は、抽出の中でも比較的安価で安全性の高い方法です。
熱水で抽出する場合、仕込み温度、抽出温度、抽出時間が各々の成分で抽出条件が違ってきます。
水で抽出するよりも熱水での方法が抽出量が多いという特徴があります。
しかしアルコール抽出法と比較するとエキスの抽出量が劣ると言われています。
現在では加圧してかつ熱水抽出で抽出効率を上げている方法も出てきています。
※熱水とは高温の水の事で、100度以下のものを指します。
漢方薬製造でエキスの抽出に使用されていることが多い抽出方法です。
アルコール抽出法

アルコール抽出法はエキスを抽出する方法では熱水抽出法と同じくらいに使用される手法です。
アルコール抽出ではアルコール濃度、仕込み温度、抽出温度、抽出時間が各々の成分で抽出条件が違ってきます。
含水エタノールを用いて抽出は、熱水抽出よりも親油性成分がよく抽出されるメリットがあります。
※含水アルコールとは文字通り水で希釈したアルコールのことです。
エタノールは、多くの加工食品によく使われる食品添加物で、食品成分表の多くにも記載されています。
成分がアルコールで十分に溶けだすまで放置した後に低圧で熱しアルコールを取り除くことで、エキス成分だけを残すという方法がこのアルコール抽出法です。
アルコールは比較的低価格なので、結果としてコストを下げることができるメリットもあります。
アルコールの濃度は目的の成分で調整されるので、一定ではありませんが、約30%~70%との濃度で使用される事が多いと言われています。
その他の抽出法
酵素処理抽出法
酵素処理抽出法は熱水抽出法と同じく安全性があり、アルコール抽出法と同じ程度の抽出量が得られる方法と言われています。

酵素処理抽出法に使用される酵素剤は数種類あり、麹菌、酵母、細菌などの微生物からつくられたり、植物から抽出されたりします。
酵素で得られる成分は材料によって効果的であったりそうでなかったりするので、何を選択するのが重要になります。
熱水抽出もアルコール抽出も材料である植物などの細胞壁を破壊してエキスを取り出す目的は、酵素処理法も同じ目的です。
酵素処理抽出では使用する酵素の種類や添加量、温度、反応時間など多くの方法があり、これらの抽出方法の中から成分を最良の状態で引き出せる条件を設定したり、抽出方法を複数組み合わせ抽出量を増やしたりします。
原料植物によって酵素1種類で十分抽出できる場合もあれば、複数の酵素をミックスする方が効率良い場合もあります。
また酵素は37度前後での使用が能力を最適に発揮できると言われているので抽出工程での温度管理も重要です。
抽出後の処理
エキス抽出後は不要物の除去が必須

材料となった植物や樹木等の不要な物質が混ざった状態です。
その為には色々な工程を重ね不純物を除去してエキスを抽出していきます。
濾過(ろか)

濾過とは、『多孔質の層や膜を用いて、固体と液体の混合系から液体だけを取り出して固体を残す操作』とされています。
身近なものだと、粉のコーヒーに熱湯を混ぜてを紙フィルターを通してドリップする事です。
濾過方法はフィルターや遠心力を利用した固液分離装置などが存在します。
工程は植物や樹木等をしているので抽出した後のカスをおおまかに取り除き、フィルターの膜の大きさを小さくしていき不要な物を取り除いていきます。
育毛剤に含まれるエキスは、抽出液の状態や最終製品の形態によって濾過方法は違いがあるので複数の中から選択します。
濃縮

濃縮とは『溶液中の溶媒を煮詰めたり蒸発させたりして、液の濃度を高めること』と定義されています。
メリットはエキスを濃縮することで、少量で有効成分を効率よく作用させることが可能となります。
殺菌

殺菌とは『特定の菌などを殺す事』を指しますが、特定の菌などについての明確な定義はありません。
殺菌として表示できる商品を使用できるのは、薬機法で医薬品や医薬部外品のみになっています。
エキスの殺菌は下記の2種類の方法で処理されます。
瞬間蒸気殺菌は原料にあわせて的確な温度等を設定してエキスが変性や劣化しないように殺菌する方法で、短時間で殺菌できる方法です。
高圧殺菌処理は加工食品にも使用される圧力を利用する方法で、エキスの劣化防止や安全性があると言われている方法です
製品化

エキス成分は、濾過、濃縮、殺菌を通して原材料として製品化されます。
製品化は液体や粉末にされ、商品に応じて利用されます。
エキス抽出法のまとめ

育毛剤に使用されるエキス成分は、植物の花や葉や根、樹木等から抽出されるものが多い傾向にあります。
コストパフォーマンスの面から考えると成分は材料からたくさんの量が取れる効率の良さというのは大事です。
そこで熱水抽出やアルコール抽出等の方法等が利用されています。
抽出できる成分が少なければその分材料が多く必要になってしまうので、コストが商品に上乗せになってしまいます。
その為、エキス成分を抽出する為に何種類かの方法が存在しますし、エキス成分によって抽出する最良な製法をチョイスするのも重要です。
育毛成分はこのように複雑な工程で抽出されたエキスが育毛剤に配合されているのです。
育毛成分はたくさんの種類と期待される効果がありますので、どのような成分が使用されているかを確認してみましょう。
※参考資料:日本食品機能研究会、日本大百科全書、コトバンク、日本薬局方